30名の便秘傾向者(排便回数週3回以下)に、30gもしくは100gのビフィズス菌BB536を含むヨーグルトを4週間摂取してもらったところ、どちらの群においても、摂取開始1週間後から排便回数と便性において有意な改善が確認されました。
今回の実験で、ビフィズス菌BB536を含むヨーグルトの100g摂取の便秘に対する整腸作用と同等の作用が、少量の30g摂取でも確認されました。
29名の下痢傾向者(排便回数日2回以上)に、30gもしくは100gのビフィズス菌BB536を含むヨーグルトを4週間摂取してもらったところ、どちらの群においても、摂取開始1週間後から排便回数と便性において有意な改善が確認されました。
上述同様、今回の実験で、ビフィズス菌BB536を含むヨーグルトの100g摂取の下痢に対する整腸作用と同等の作用が、少量の30g摂取でも確認されました。
腸内環境は、以下のことなどで悪化します。
①食生活の変化、②体内リズムの乱れ、③ストレス、④運動不足
腸内環境が悪化すると、腸の動きが悪くなり、
①便秘、②下痢、③腹部膨満感、④ガスの出が悪くなるなどの症状がでます。
これをほおっておく(場合によっては、症状が発生する)と、大腸では腸内に老廃物がたまり、腸内細菌のバランスがくずれて免疫力が低下します。小腸では、腸管免疫の主役であるパイエル板のリンパ球の働きが弱まり免疫力が低下します。そうなると、病気になりやすくなってしまいます。
例えば、腸の病気であれば大腸ガン、全身の病気であれば、インフルエンザなどの感染症、花粉症・食物アレルギーなどの免疫異常に関わる病気、ガンなど免疫力が関わる病気などです。
・「停滞腸」とは、消化・吸収・排泄するために必要な腸の運動が弱くなったり、中には止まってしまうような腸のことです。
・「停滞腸」により、老廃物が貯留する原因になり、ニキビや肌荒れなどの肌トラブルをはじめ、腹部膨満感(下腹部の張り)、腹痛などの原因になります。
・現代人の誰もがいつ「停滞腸」になってもおかしくありません。
・ヨーグルトなどに含まれるビフィズス菌や乳酸菌には整腸作用があり、腸内環境を良くします。
・胃腸で弱ることなく生きたまま腸に達した乳酸菌は、乳酸を多く作り出し、ビフィズス菌は乳酸以外にも酢酸を作り出し、善玉菌として働きます。
プロフィール
松生 恒夫(まついけ つねお)先生
東京慈恵会医科大学卒業。
同大学第三病院内科助手、松島病院大腸肛門病センター診療部長を経て、2004年に松生クリニックを開業。
大腸内視鏡検査(現在までに3万件以上)、生活習慣病としての大腸疾患の診療と治療を行う腸の専門医。